オトコなのにオンナ……なのにオトコ!?
「私はこの学校で慣れない海外生活を送る子供の為のカウンセラーです。レア先生ってみんな呼ぶわ。ヨロシクね」
「大城姫奈です。こっちに来ていま2週間ぐらいで……でもカウンセリングなんて?」
優しい瞳が更に丸くなる。不安じゃないのよ、と。
俺の”憂いの表情”を見たのか先生は優しく話し始めた。
「姫奈わかるでしょ?アズって子はちょっと世間を冷めた目で見てる。その分見抜く力は凄いと私は思ってる。」
「…………」
「姫奈は何か抱えてるって。無理してるんじゃないかって言ってたわ?」
まさか……な?
姫奈を天使だとか言ってるアズだから「俺」の存在に気付いた訳じゃないだろう。
だとしたら??
「紅茶でも淹れる?」
俺を落ち着かせる為に席を立ったレア先生。
コポコポと音を立ててお湯が沸く……!?
って先生、それビーカーですから!!!
「作り方はトンカクテキなのよ?」
「それは本格的です……」
「姫奈も日本語教えてくれるのね。嬉しいわ」
いや、我慢できず突っ込みたくなるだけですが。
ビーカーでしっかり煮出された本場の紅茶を頂きながら……俺とレア先生のカウンセリングが始まった。