オトコなのにオンナ……なのにオトコ!?
試験まであと3日の日。
姫奈へ
初めての試験終わった~!!でもサッカーのやり過ぎで全然ダメ。
でも部活は頑張ってる。次の試合レギュラー取れるかもしれないんだ。
もうすぐ離れて2ヶ月だな?
毎日姫奈の事考えてる。
はやく、会って抱きしめたい。姫奈はちっちゃいからどこかへ行っちゃいそうで不安なんだ。
夏には帰ってくるんだろ?早く逢いたいよ。
和樹
相変わらずサッカーしか目に入ってない和樹からの手紙。
アイツが変わってない事が俺の気持ちを安定させる。
俺の方が不安に決まってるだろ?サッカーボールを追いかけてる和樹はキラキラしてて、誰よりも輝いてるんだ。
そんなん他の女が見たら……って考えるだけで不安になる。
近くにいたら、姫奈スマイルで、小さな手で、丸い瞳で、和樹を魅了出来るのに。
「ホントにそれでええの?」
アズはそう言うけど、俺は和樹を失いたくないんだ。
だって、俺だったら嫌だぜ?
こんなオンナ。
口は悪いし、ちょっと意地悪だし、いい加減だし……そんな俺の自慢できるとこって言ったら。
親から受け継いだ見た目しかねーじゃん!!
夏まであと3ヶ月。
そう思っていた和樹との再会は意外にも早まる事になる。
うちの愛すべきおバカな母のおかげ!?……で。