オトコなのにオンナ……なのにオトコ!?
数曲、合わせてみた所で休憩。
「姫奈最高!!!」
まだライブハウスの興奮が残っているのかアズが俺に抱きついてくる。
「だろ?」
オトコになりきって頭を撫でてやると、まるで好きなバンドのボーカルにそうされたかのようにアズは潤んだ瞳になって俺を見つめる。
これ……かなり気持ちいいかも!!!
「完敗」
ボーカルさんはそう言い、帝、皐、窮も手を差し伸べる。
「ボーカルになった瞬間のオーラが本物だって気がする」
「一緒に……やってくれないかな??」
もちろん、俺の答えは決まってる。
「これから、よろしくお願いします!!!」
ここなら「俺」でいられる。
また一つ、俺の場所が増えたんだ。