オトコなのにオンナ……なのにオトコ!?



アズの家に戻った俺達は会議中。



「ダメ……全然決まんねー!!!」



「なぁ都とかは??」



「和風過ぎてなんか嫌だ」



「オトコっぽい方がええねんもんなぁ?」



ルフィのメンバーとなった俺はバンドでの名前を考えて来いと言われ見送られた訳で……でもそんな簡単には決まらず夜は更ける。



漢字一文字っつー制限がかなり頭を悩ませる。



「もう姫でいいんちゃうの?」



「ありえないから!!」



「そうやろな」



悩みすぎて頭がパンクしそうになった時



「樹(イツキ)は??」



俺の脳裏に浮かんだ一つの言葉。



「それ和樹君の……??」



「おぅ!一文字もらっていいかなって思ってさ」



一瞬だけ何故かアズの顔が曇った気がしたけど……気のせいだよな?



ひょっとして……彼氏のいないアズにオトコの話はウザいのか??



心配していると、全然違う事を切り出すアズ。



「姫奈、1コワガママ言ってもええ??」



「何だよ?急に改まって」



「それ読み方イッキにせぇへん?そっちのがカッコいいやん?」



確かに。



呼びやすいし。



「よしっじゃあ樹(イッキ)に決定!!!って人には言うなよ?」



「わかってるって。二人の秘密やで」



盛り上がった俺達はその日ほとんど寝る事もなくルフィの話を朝まで続けたんだ。




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