オトコなのにオンナ……なのにオトコ!?
きょろきょろ。
「姫ちゃん、落ち着かない??」
「うん……緊張する」
あんなに毎日会ってたじゃない?夢奈さんはそう言って笑うけどさ。
逢ってたからこそ離れた分余計に緊張するって!
あと持たされてるこのおっきな紙袋は一体なんなんですかね?
何かを取りに来たんじゃ無かったでしたっけ!?
ちらっと覗くとパリ名物らしいエッフェル塔の先が見えて……俺は目を反らす事にした。
夢奈さん、これ系のおみやげってもらった方は結構困る系ものですよ?
俺知ーらないっと。
出口をくぐると久しぶりの日本の風。パリに比べると……随分淀んでる気がする。
これが当たり前だったのにな。
「姫ちゃん!!あれ、違う??」
夢奈さんの指差す先には……いや、違くね?
スポーツブランドのジャージに身を包んだ一人の青年。
違うだろ?
和樹はあんなに背高くねーし、筋肉質じゃない筈だし。
俺が思うより先にその緑ジャージは走ってきて……俺は気付くとその腕の中にいた!?
嘘!!!!
マジで???