オトコなのにオンナ……なのにオトコ!?
「ところで画材はあったの??」
「うん♪今度はバッチリ」
書くわよ~!!とちっさい力こぶを見せてくる夢奈さんはホントに女らしくて、オヤジが惚れるのもわからんでもない。
そっか……。
これでまた当分日本には来れないんだな。
和樹に逢ったら思ったより「姫奈」出来てる自分にちょっとだけ驚いた。
無理しなきゃいけないと思ってたのに、長年染み付いたある意味……特技!?
「明日一緒に夕飯食べたら帰ろうね♪」
2家族合同で一緒に食事をしながら俺を見つめる和樹の瞳が、今までよりもオトコに見える。
それは、小さな大切なものを慈しむような瞳。
ダメだ。
逃げちゃダメだ。
オレは和樹の……彼女なんだから。
「どーせオンナで会うんやろ?」
アズの言葉が頭をよぎる。
このままでいいんだ。
俺が……そう決めたんだから!!!