オトコなのにオンナ……なのにオトコ!?
第9章 輝く世界へ
【第9章】
「姫奈っ……カッコ良かったぜ?」
「ピエちゃん……」
「結局言ったのか?」
「言える訳ねーだろ?あんなにお前に惚れてるのに」
そう、アズは帰国前に俺に告白をして去っていった。
はっきり言って驚いた!!
でも愛おしくも感じたんだ。
大きかったアズが小さく見えて……俺はこんな距離感を和樹に求めているのかもしれねーな。
「まっ、俺も来月帰るし、ピエちゃんもいい恋しろよ」
「けっ。ちょっとアズの心ものにしたからって偉そうに」
ピエちゃんとも、こんな笑顔でオトコ同士の会話が出来るなんて思わなかったな。
「んだよ、結局ホモのくせに……」
「何っ?殺すぞ!?」
ピエちゃんの真似をしてまた笑いあう。
「でもお前また戻ったらオンナやるんだろ?」
「しょうがねーよなぁ?」
それがおかしな事だってのは承知の上。
ただ、今の俺はアズの為にも樹を守りたい。
いつまでも、アズの憧れのオトコでいたいから……行かねーとっ。
「ピエちゃんまたな!!」
「おぅ!」
俺の足は、まっすぐスタジオに向いていた。