オトコなのにオンナ……なのにオトコ!?



暗いから顔は見えないけどすぐそばに和樹の呼吸を感じた。



「和樹?」



「付き合ったって言っても何も変わらないじゃん?だから俺不安なんだ。姫奈は俺の事本当は好きじゃないのかな?って」



「だから二人で話したくって」



心が揺さぶられる言葉。



素直に想いをぶつけてくる和樹を愛しいと思うのは母性本能ってヤツなんだろうか?



それともやっぱり恋愛感情だろうか。



思考はすぐに停止した。



俺の唇に和樹の唇が重なったから……。



ファーストキスの甘さにやられた俺は、もう……何も考えられなかった。



和樹か愛しい。



細かい事なんてどうでもよくて、今はその事実だけで充分なんだ。




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