オトコなのにオンナ……なのにオトコ!?
6年になって姫奈と一緒のクラスになった。
サッカー部で親友の智也も一緒のクラス、ついでに智也の彼女の香織ちゃんも。
俺達はいっつも窓際の日当たりのいい場所に陣取ってゲームの話とかで盛り上がるのが日課。
でもその日は違った。香織ちゃんの大きな声が聞こえたんだ。
「おいっ智也。何か彼女叫んでるし……!?」
振り向いた俺は固まったね。奈緒達が姫奈の事囲んでんじゃん。
絶対俺……関係してるよね?
そう思って近寄った。そしたら……
「和樹君の恋は報われないじゃない!!」
俺が隠してた想い、奈緒はあっさりぶつけやがった。
そして姫奈をさらって行った。
本当はなんとしてでも止めたかった。でも「大丈夫だから」そう言う姫奈に俺って迷惑なんじゃって思ったら……動けなかったんだ。
情けねーよな。
しばらく呆然としてる俺に智也と香織ちゃんが来て言った。
「このままでいい訳??」
それ聞いた瞬間走ったね、俺。何でここに突っ立ってるんだろうって。