四色恋模様




ななに惹かれるのはそんな理由もあるからかな…。




思い出せば出すほどななの事を見てきたんだなって分かる。



「せいー、結人君来てるわよ」




コンコン、とノックする音の後にお母さんの声が聞こえてきた。



「え、分かった」



ガバッと起き上がって返事をすると、ガチャっというドアノブを回す音がしてドアが開いた。






「よぉ」



「なんだ…結人」



おずおずと中に入ってきた結人。


ドアの前で立ち尽くしている。



「座れば?」




こんな事考えてた矢先に結人がくるなんて…あり得ない。



最悪。そして機嫌も悪くなる。



ベッドの上であぐらをかき結人が座るのを待つ。


結人は何も言わずにベッドの近くまで来て俺と向かい合う様にして座った。





「…………」





な、なんで何も言わないんだ…。



結人はじっと黙ったまま俯いている。


だから俺も言葉を発しずらい。








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