四色恋模様
「ごめん。つい…感情的になっちまったから」
謝ってるのは昼間のことか。
いや、それよりも俺は違うとこに怒ってんだけど。
「そんなのどうでもいい。それより、舞花の事が好きなのにななと付き合ってるってどういう事?」
いかにも怒ってますオーラを出しながら結人に冷たい声で聞く。
「それには色々事情があるんだよ」
結人はそこについては話したがらないようだ。
「はぁ?お前、俺がななの事どう思ってるか分かってんだろ?つか今日言ったしな」
今日の屋上の踊り場で、俺はななが好きだと結人に言った。
案の定、結人はケンカを買うかと思えば実は舞花が好きなんて言うし…。
「てか、ななの気持ち考えたのかよ!お前の事ちゃんと想ってくれてるんだぞ!」
つい血が頭に登って結人の胸ぐらを掴んでしまった。
「あ〜…それも……ってめんどくせぇっ!!」
いきなり大声を出した結人は胸ぐらをつかむ俺の手を払ってキッ、と睨んできた。
「もういい。お前がそんなんだと舞花が幸せになれる気がしねぇ」
は?いきなり何言ってんだ?
しかも俺が悪いの?
結人は咳払いをすると偉そうにあぐらをかいた。
「いいか?俺のいう事今からちゃんと聞けよ」
「は?お前偉そうにっ「いいから聞け!」
大声で遮られて思わず口をつぐんだ。
「分かった…聞けばいいんだろ」
こうなったら結人は止められない…。
俺が大人にならないと…。
しぶしぶ俺は結人の話を聞くことにした。