四色恋模様
「せいだって気付いてるだろ?周りがせいと舞花をお似合いだって言ってる事。なんで、舞花じゃ駄目なんだよ」
舞花とお似合い…。
中学生の頃から、舞花と付き合ってるのか?とか聞かれてその度に違うって言えばお似合いなのに〜って残念がられる。
舞花じゃ駄目な理由。
それはシンプルにただ一つ。
「だって、俺はななが好きだから。ずっと前から好きだから舞花の事はそういう風には見れないから。だから駄目なんだよ」
結人はなぜか悔しそうにして目をそらしている。
「せいが舞花を好きでいてくれたら良かったのに…」
どうして結人がそんなこと言うんだろう?
結人は舞花の事好きなはずなのに舞花と俺が付き合えばいいみたいな発想がよく分からない。
「結人…?」
無言になった結人の肩に恐る恐る手を伸ばす。
「せい」
不意に呼ばれて伸ばした手を止めた。
結人はこっちを向くと真っ直ぐ俺の目を見てきた。
「舞花を悲しませるような事するなよ」
それだけ言うと結人は立ち上がり無言で部屋を出て行ってしまった。
なんだ、それ…。
伸ばしていた手を引っ込める。