四色恋模様
8:10
ご飯も食べ終わって自分の部屋でダラダラしてる。
この時間、いつも結人がインターホンを押すんだけど…。
来ないかな〜?
私も遅刻しちゃうし、そろそろ出ようかな…。
「いってきまーす」
「あれ?結人君は?」
リビングからお母さんが不思議そうに顔を覗かせてきた。
「わからなーい。いってきまーす」
これ以上突っ込まれない内に早くでなきゃ!
ガチャッとドアを開けて外に出た。
「あ」
「えっ?!」
い、いた!結人!!
丁度私の家のインターホンを押そうとしてる結人と目があった。
「な、なによー。来たならさっさと言ってよね〜」
あはは、とふざけた調子で笑ってみる。
「あぁ、ごめん」
だけど結人はいたって真面目でニコリともせずそう言い返してきた。
私も笑うのをやめて行こう、と結人に声をかけた。
なんか、やりづらい…。
ギュッとバックの持ち手を握りしめた。