四色恋模様



「しょうが…ないよね」




ポツリと自分に言い聞かせるように呟いてせいの顔を頭から消した。




恋ってそういうものだよ。

上手くいくことだって多くはないはず。




そう割り切るしかない。





今日はいつもより早足で帰った。



あまり考え事をしたくなかったから。





「ただいま〜」






「おかえりー」





家に着くとお母さんの声が聞こえてきた。


私はすぐに2階に上がってベッドに横になる。




疲れたな。寝たいな。



パチリと目を閉じると暗闇の中にせいの顔が浮かび上がる。




!!



パッと目を開けるといなくなる。



「出てこないでよーっ」




いつの間にか視界が霞んできて頰に暖かい何かが伝うのが分かった。



最近泣いてばっかり。本当やになる。




ギュッと布団を抱き枕のように抱きしめて顔を埋めた。




私はとっくに、せいの色で塗りつぶされていたんだ。



頭の中も、心の中も。







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