四色恋模様
夜の6時から始まる近所の神社のお祭りに間に合うように5時半にせい君と約束した。
ちなみにななは桃と行くようだ。
そういえばなながなぜか私のために張り切っていたのを思い出した。
「舞花!ちゃんとオシャレしていくんだよ!絶対浴衣だからね!」
わざわざ雑誌まで持ってきて着付けの仕方を教えてくれた。
本当はななに聞きたいことは沢山あるけど、その時はななの思いに甘えよう、と思って何も言っていない。
最近ななとせい君が話してないのはいくら私でも分かってた。
それがなぜなのかはよく分からないけど…。
ななは私を応援してくれてるけどそれは心からじゃないーって言うとななを責めてるみたいだけど。
やっぱり、自分の気持ちと私への気持ちで戦っているみたい。
大丈夫、もう解放されるよ。
そう言ってあげたいけど、もうちょっと私のわがままに付き合って欲しいから言わないよ。
誤解されやすいけど、意外と腹黒いのだ。
みんなが変なイメージをしているだけで私は思っているよりずっと腹黒いし性格は悪い。
にしし、と1人で笑い浴衣を取り出して壁にかけておいた。
今から着付けて、髪もやればちょうど5時半位になるはず!
「ママ〜!手伝ってー!」
私はお母さんに手伝ってもらいながら浴衣を着つけていった。