四色恋模様




「まぁ、確かに…」




「でしょ?!てかなんで入りもしないのにそんな事聞くの?」




せいの考えてることがよく分からない。
それはいつもだけど更によく分からない時がある。
まさに今がそれ。




「いや、友達がバスケ部の先輩と知り合いでマネージャーいないから聞いてくれないかって頼まれたらしいから」





せいはそれがどうかした?という顔で首を傾げている。



「あっそ…。でも、せいなんでバスケ部入らないの?なんかあったの?」




こればかりはやっぱり心配で、つい聞いてしまった。


せいは一瞬顔を曇らせると、すぐにまた小さく笑って


「やっぱり、意味がないから」



とだけ言って友達の方へ戻って行ってしまった。




「ちょ、意味がないってどういう事よ」




せいの後ろ姿に声をかけるけど、気付いてないのか無視されたのか、こっちには振り向かなかった。



「…びっくりした」


え、と声のした方を見ると、桃が驚いた顔でまだせいの背中を見ていた。



「ああ、なんかごめんね。急に「そうじゃなくて」



変な空気にしちゃってどうしようと思って、謝ろうとした時に桃に強く言葉を遮られた。



「意外と、普通に笑うんだね」


「え…?」


普通に笑うんだね…ってどういうこと?


「だって、いつも微笑むような笑い方だからあんな風に無邪気そうに笑うなんてビックリだよ」


桃はまだ驚いているみたいで私の顔見てもまだ目が見開いている状態だった。


「そう?幼馴染だから多分なんとも思わないんだろうけど…」



逆に、私は舞花に見せるような優しく微笑むせいの顔をあまり見たことがない気がする。

それだけ、舞花を特別にしてるってことかな?


「幼馴染って言うよりも…ななだからなんとも思わないんじゃない?」


桃はやっと驚いた顔からいつもの顔に戻っていた。



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