四色恋模様
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「きりーつ、れい」
さようならー、と帰りのホームルームが終わりクラスの皆んなが動き出す。
今日は部活動見学もあるみたいだし、人がまばらに散っていく。
「かーえろ!なな」
後ろからヒョコッと舞花が顔を出してきた。
「そうだね。一応、せいにも聞こうか。結人はサッカー部に行くと思うからいいけど」
私と舞花はせいの方へ歩き出した。
「あ〜、本当舞花ちゃんって可愛いよね〜」
教室の中を歩いていると、いつも派手で教室でも目立っている子達の声が聞こえてきた。
「ね!星太君と舞花ちゃんと成瀬さんって幼馴染なんでしょ?」
コソコソ話しているようで、ちゃんと聞こえてるんだけどな…。
私は知らないふりしてそのまませいの方へ向かう。
「成瀬さんはあの二人といて恥ずかしくないのかね?うちなら絶対あの二人と並びたくないし!」
「ほんとそれ!成瀬さんってそんな可愛くないし、ぶっちゃけあの二人といても邪魔だよね〜」
こいつら〜〜!!
何言いたい事言ってくれてんだよ!しかも丸聞こえだから!
ムカついてギリギリと拳を握ってどうにか耐えた。
「せい!帰るよ!」
「お、おう…」
私の剣幕にきっとせいはハテナがいっぱいだろう。
若干引き気味でせいはそう答えると舞花に助けを求めるように視線を送ったのが見えた。
ーーーーーーー…
「なぁ、どうしたんだよ」
帰り道、私は1人で前を歩いていた。後ろには舞花とせいがいる。
「別になんでもないから!」
中学の頃から同じような事言われてたけど別に気にしてなかったし。
今回もいいんだけど…結人さえいてくれれば!!ってすごく思う。
舞花とせいはずっとお似合いのペアで考えられていて、私と結人はあまりってことでペアにされていた。
でも、高校に入って結人の存在を知らない人が多いから私が攻撃を受けることになる。
そんなのひどい!!結人も攻撃を受けるべきなのに!!