四色恋模様



「もし俺たちが付き合ったら、あの2人も付き合いやすくなるんじゃない?」



「え、ええ…」



そんな、でも付き合うなんて…。


私はうーんうーんと中々返事が出来なかった。


だって、結人と付き合うなんて…まるで想像したこと無いのに!



「いや、そんな深く考えなくても形だけでいいじゃん」


ハハ、と可笑しそうにやっと笑った結人。


「2人が付き合えさえすればいいんだから。仮の恋人でいいだろ?」



「あ、そういう事…」



私はホッと胸をなでおろした。
それなら、いいかもしれない。



2人が上手く付き合えるようにするために。




「それなら大丈夫」


うん、と頷いてから私は結人の方を見た。


結人はいつも通りニコニコと笑っている。




「じゃあ、決まり!俺とななは今日から恋人な!」



「了解!」




こんな形で、私達の恋人生活が始まることとなった。






私達2人が会っているところを誰かに見られてたなんて知らずに…。



< 32 / 161 >

この作品をシェア

pagetop