四色恋模様
「もし俺たちが付き合ったら、あの2人も付き合いやすくなるんじゃない?」
「え、ええ…」
そんな、でも付き合うなんて…。
私はうーんうーんと中々返事が出来なかった。
だって、結人と付き合うなんて…まるで想像したこと無いのに!
「いや、そんな深く考えなくても形だけでいいじゃん」
ハハ、と可笑しそうにやっと笑った結人。
「2人が付き合えさえすればいいんだから。仮の恋人でいいだろ?」
「あ、そういう事…」
私はホッと胸をなでおろした。
それなら、いいかもしれない。
2人が上手く付き合えるようにするために。
「それなら大丈夫」
うん、と頷いてから私は結人の方を見た。
結人はいつも通りニコニコと笑っている。
「じゃあ、決まり!俺とななは今日から恋人な!」
「了解!」
こんな形で、私達の恋人生活が始まることとなった。
私達2人が会っているところを誰かに見られてたなんて知らずに…。