四色恋模様
二色
「おはよう!舞花!」
朝8時ちょっと前。
今日は寝坊せずに玄関の外で舞花を待っていられた。
「おはよう!今日はちゃんと時間通りなんだね」
ふふふ、と可笑しそうに口に手を添えて舞花は上品に笑う。
「まぁね!それより、舞花に報告したい事があるの!」
そう言ったとたん、急に胸がドキドキしてきた。
嘘をつく罪悪感と舞花とせいへの期待。
「なあに?」
舞花はパチパチと瞬きした。
「じつは、私結人と付き合う事になったの…!」
「えっ?!」
今まで聞いたことないような舞花の驚いた声。
シーっ!と人差し指を立てて私は周りをみる。
幸運な事に、周りには人がいなかった。
「ど、どうして?好きだったの?」
「え?あぁ、うん!なんか高校入ってから気になっちゃって」
適当にそれっぽい事を言ってみる。
それを舞花は普通に信用してくれたみたいで、そっかぁ〜と、微笑みながら言った。
その笑顔をみると、チクンと心が痛んだ。
だって、喜んでくれているんでしょ?
優しい舞花のその笑顔は喜んでくれているんだって分かる。
「初めてのななの彼氏がゆい君…って、凄いな!私も頑張らなきゃね」
「う、うん!舞花も頑張って!」