四色恋模様
とりあえず舞花の心にはさらに火がついたみたいで良かった。
心の中で安堵のため息をつく。
「せい君は知ってるのかな?ななとゆい君が付き合う事」
舞花はまだニコニコしながら私の方を見上げた。
「あ、せいには結人が言ってくれるみたい」
「そっか!桃ちゃんにも話さないとね!」
舞花のその言葉に私の思考回路は一瞬停止した。
しまった!
桃の事忘れてた!!
これ言わなきゃダメかな?!
というか、桃にも嘘つかなきゃダメ?!
「きっと喜んでくれるね〜」
舞花はまだニコニコとしながらそんな事を言っている。
「今度四人でお祝いでもしようか?」
「え?!大丈夫大丈夫!まだ付き合ったばっかだから!そっとしておいてもらった方がいいかな〜?アハハ!」
優しい舞花の本来なら喜ぶ提案にいちいち焦ってしまう。
舞花はそお?と首を傾げてこの話は終わった。
学校について、私は下駄箱の壁に寄りかかっていた。
舞花には先に行っておいてもらうように言って、せいと一緒に来る結人を待ち伏せる。
きっとまた、結人が寝坊して2人して遅く来るはずだからね。