四色恋模様
「はぁ〜〜?どーせ結人が待ち合わせ時間通りに来なくて怒ってるんじゃないの?」
それだけでせいが怒るとも考えにくいけど。
だったら今まで怒らなかったのが不思議だしな。
「確かに遅刻はしたけど!でも明らか今日は怒ってるんだよ!」
遅刻したのかよ!!
心の中で突っ込んでとりあえず今はせいの事に集中する。
本当はこんな事話してる場合じゃないのにな〜。
「せいには話せた?昨日の事」
「話せるわけないだろ?!あの調子でそんな話したら生きてねぇよ!」
ゾッと青ざめた顔で結人は首を激しく横に振った。
まぁ、それもそうだよね。
そんな浮かれ話し、あの状態のせいにはできないか。
「でも、どうしていきなりあんな怒ってるんだろ?昨日まで本当に普通だったのに…」
そこまで言って何か引っかかるな、と昨日の事を思い出してみた。
昨日…
昨日?あ、れ。
私昨日舞花とせいをおいて帰っちゃわなかった?
しかも勝手にイライラしたりして…。
え、もしかしてそれが原因なの?
「なな?なんかわかる?」
グルグルと頭の中で昨日の出来事を考えていたので結人の声は全く届いてこない。