四色恋模様
「あ、ゆい君に会えた〜?」
自分の席につくと先に来ていた舞花と桃が話していた。
「あ、うん。会えた会えた!」
バックを机において教科書を出して…。
「ぎゃっ!!」
突然後ろから首に腕を回されて驚きのあまり変な声が出てしまった。
その犯人は桃で、なぜかニヤニヤとした顔で私の顔を見ている。
あ、もしかして…。
できれば私の予想が外れていますように!
「なぁに?桃ちゃん?」
嫌な予感で変な汗が背中をつたう中、桃に笑いかける。
「ちょっと〜、いつの間に幼馴染と付き合ったのよ〜」
やっぱり!!
舞花を先に行かすんじゃなかった!!
今更後悔しても遅いから、どうにかして桃には真実を告げなきゃ!
「あはは!つい昨日の夜に付き合うことになってね!」
どうか私が嘘をついているとばれませんように!!
私は分かりやすいからすぐ嘘がバレる。
それは特にせいや結人なんかにはすぐに気付かれるし。
「そーなんだー。まぁ、とりあえずおめでとう」
桃はニヤッと笑ってから、やっと首から腕を外してくれた。
解放されてようやく自分の席につける…。