四色恋模様
「いや〜入学式からごめんね?本当に…」
「もう、いつものことでしょ?なによ今更」
クスクスと小さく笑う舞花。
あの日、会ってから私達はずっと一緒に小学校も中学校も登下校したり遊んだりしている。
「はぁ、本当に舞花可愛い。高校でもまたすぐに噂になるね!」
舞花なロシア人のクォーターらしく、つまり外国人ママはロシア人のハーフだったらしい。
舞花は本当に美人でスタイルだってよくて、おまけに性格まで良い。
モテないはずがなかった。
「もう、止めてよね。友達にまで私の事言いふらすの!」
ムッと怒った顔で睨む舞花。
私ったらつい舞花の事を自慢したくなって色んな子に舞花の事を話すんだけど…そのせいもあってか中学校では舞花の事を知らない人はいなかった。
「えへへ、ごめんなさ〜い」
「まったく」
ツン、と人差し指でおでこをつかれる。
仕方ないな〜、って思う時に舞花はこれをよくやってくる。
「舞花、それ癖だよね」
本当、小学校の時から良くやってる。
えっ、とした顔で舞花は固まった。
「そう?全然分かんない」
「癖だから分からないんでしょ?仕方ないんだから〜っていう時とかいつもそれやるじゃん?」
「え〜…そうか「おはよー!ななとまいかーー」
舞花が自分の人差し指に視線を落として呟いた時、後ろから良く知る声が聞こえてきた。
「おはよう、結人」
クルッと降りかえって誰かも確かめずに挨拶をする。
「いや〜、寝坊しちゃってさ〜」
はははと豪快に笑う結人。
こいつと同じとか……私恥ずかしい。
「おい!結人!お前が遅れたくせに置いてくなよ!」
「せい君!おはよ!」
新しい声が聞こえた瞬間、舞花が振り返って少し上ずった声で挨拶した。
「あぁ、舞花とななか…。おはよ」
「せいおはよー」
後ろから駆けてきたのは星太こと「せい」
「いや〜ごめんごめん。つい2人を見つけたから」
結人がペロッと舌を出して悪びれもなくせいに謝る。
イラっとした顔をしたせいは拳を作って軽く結人の頭を殴った。
「うわっ、暴力反対!」
「はぁ?これは暴力じゃねーよ。ガキにするお仕置き」
2人のやりとりを私と舞花は笑いながら見る。
私達四人は10年目を迎える幼馴染。