四色恋模様
4組の前で私は結人を待っていた。
あれから私たちは朝は一緒に登校して、お昼は情報交換のため一緒に食べている。
下校は結人が部活だからしていないけど。
「はぁ…」
「なにため息ついてんの?」
リレーの事を引きずっているとヒョコッと誰かが顔を覗き込んできた。
「せ、せい!」
驚いてバッと顔を上げるとせいも顔を上げて私の正面に立った。
「なんだ、結人かとおもった…」
私が何気なくそう言うとムスッとした顔になったせい。
「はいはい、彼氏じゃなくてごめんなさいね」
「ちょ、痛い!」
バシッと頭にチョップを食らわして来たせいに私もお腹にパンチを入れて反撃する。
「ほんとお前暴力的だな。結人はなんでお前なんかを好きになったんだろうな」
「はぁ?大きなお世話!あんたはクールキャラのはずでしょ?大人しくしてなさいよ」
なんでこんな奴がクールで優しい大人キャラで人気でてるんだろ。
全然違うんだから!
「あれ?せい?」
新しい声に振り向くと結人がお弁当を持ってこっちを見ていた。
「俺は購買に行くだけ。じゃーな」
サッと結人の横を通ってせいは購買のある方へ行ってしまった。
「なに…あいつ」
結局何がしたかったのか分からないまま、しばらくせいの背中を見つめていた。
せいが通ると廊下で話している2人の女の子がチラチラとせいの方を見ていた。