四色恋模様
「でも2人が付き合うまで私達ずっとこの関係続けなきゃいけないの?私達もしかしたら高校3年間偽カップルを演じ続けなきゃいけなくなるかもよ?」
私はいたって深刻で口を曲げてムスッとした顔で結人を見た。
「いや、流石にそこまでいくならあの2人は合わなかったって事で終わらせてよくね?」
結人は私の発想に驚いて目を見開いた。
あぁ、そっか。
でも、それっていつまでなんだろう…?
「まぁ、いいじゃん。さーてこれからどうしーあっ」
結人はお弁当から目を上げると、何かを見て話すのを止めた。
「ん、なに?」
結人の視線を辿ると、そこにはせいと一緒に歩く桃の姿が見えた。
「え、せいが知らない女の子と歩いてる…」
「いや、あれ私の友達!どういうこと?!」
憩いの場から廊下を歩く2人の姿を見えなくなるまで目で追った。
「話したことなかったはずなんだけど…なんで」
それに、桃は舞花がせいのこと好きなのも知ってるし。
どんな用でせいと一緒にいるんだろう。
胸がザワザワして落ち着かない。
別に桃を疑ってる訳ではないけど、モヤモヤした霧みたいなものが心を覆っているような気がした。