四色恋模様
「え〜…どうだろう?舞花はともかく私は笑われそうだけど」
どうせ似合わねーとか言われるんだろうな、と馬鹿にして笑うせいの顔を思い浮かべた。
「そうかな?ななちゃんの事凄く気に入ってるみたいだから、あの子」
「あー、気に入ってるねぇ…」
からかいがいのあるオモチャとしてかな。
フッと鼻で笑うと、せいママは私を見てクスクスと笑った。
「え、何?」
「ううん。なんでもない」
可笑しそうに上品に笑いながら首を振るせいママ。
ん?と首を傾げて私は首をかしげた。
何がそんなに面白いのかな?
鼻で笑った顔、そんなにブサイクだった?
「じゃ、そろそろせいも帰って来る頃だし私も帰ろうかな」
よいしょっ、と言ってせいママは椅子を引いて立った。
「そう?今日はありがとね」
お母さんもいそいそと立って玄関に向かう。
私も玄関までお見送りにでた。
「じゃあね〜」
手を振ってせいママが外に出て行くのを見送る。
あっ!!
ドアが閉まる瞬間、外にせいがいたのが見えた。
それに、一瞬だけど、確かに目があったのが分かった。
「さぁ、晩御飯の支度支度〜」
お母さんはドアの鍵を閉めてリビングに戻っていく。
せいには気づかなかったみたい…。