四色恋模様



「じゃあ、行ってくるね〜」


「行ってらっしゃ〜い」



お昼の時間帯になると、ななは彼氏と一緒に食べるためにどこかへ行ってしまうようになった。



「私、お昼委員会あるからごめんね!」


なんと今日は舞花も放送委員でお昼を持って行ってしまった。



「あーあ、1人でご飯か…」


舞花やなな以外の人と仲がいいわけじゃないしね。


仕方なく自分の席でご飯を食べる。



「吉野、ななは?」


男の人の声にギクッとして顔を上げると星太君が目の前に立っていた。


「あ、彼氏のとこに行ったと思うよ」


「そっか、ありがと」


あ…。


それだけ言うと星太君は教室を出てどこかへ行ってしまった。



なに…あのシュンとした顔は…。


一瞬だから見間違いかもしれないけど…。



あの幼馴染たち、やっぱり厄介な事になりそう…。



私は改めてそう思った。



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