四色恋模様



星太君は気まづそうに顔を背けると何も言わずに私の横を通った。


「ちょ、答えないってそれは肯定として捉えちゃっていいわけ?!」



慌てて振り向いて星太君の背中にそう投げかける。



「吉野、ここ購買だから」


星太君はまた無表情に戻って私に向かってそう言った。


その言葉にハッとして星太君の背中を押して購買から出る。



「なんだよ?初めて話していきなり」


いつものクールで優しい星太君はそこにはいなくて鬱陶しそうに私を見下ろす。



「だって、私の質問に答えないから。つまり肯定と捉えちゃっていいのよね?」



ずいっと星太君に一歩詰め寄る。

星太君はゔっと苦い顔をした。



「肯定も何も、俺がななを好きっていつ言ったよ」


私はニヤッと笑って星太君から離れた。
墓穴を掘ったな〜!


「私は一言も星太君はななの事を好きなんだよねって言ってないけど?ただ周りの評判とかに合わせて舞花を選ぶの?って聞いたのよ」


自分からななの事を好きって言ってるようなもんじゃない。
やっぱりね〜。



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