四色恋模様
照れるかと思っていたら意外にも星太君はしれっとしていた。
「は?お前の聞き方は明らかに俺がななの事を好きってなってる前提だったろ?それ位俺だって分かるんだよ」
クールで優しい星太君はどこにいったのか、明らかに棘のある言い方。
意外と冷静に分析するのね…。
私は違う線で攻めようと考えた。
「分かってるなら認めなよ。明らかにななが彼氏のとこに行ってるって言ったら悲しそうな顔したじゃん」
「は?してねーよ」
不機嫌そうに私を睨んで教室の方に戻ろうとする。
「へー?じゃあななが付き合った日になんであんなに不機嫌だったの?」
私は星太君の隣に並んで歩く。
絶対折れないんだから!!
「そんなの忘れた。たまたま機嫌が悪かっただけだろ?」
星太君は隣を歩く私をうざそうに見下ろす。
私はそれに対抗するように星太君の顔を見上げた。
「あっそ!そんなに頑固ならなながバスケ部に入るって言っても来ないでよね!」
「は?なながバスケ部?」
ピタッと星太君が足を止めてそう聞き返してきた。
賭けに出てみて良かった。これには食いつくんだ。
「そう、マネをやろうかなって最近言い始めてるの。星太君バスケ部だったんでしょ?でも高校じゃやらないんだからどうだっていっか」
私は肩をすくめてそのまま歩き出そうとクルッと前に向き直った。
「お、おい、まて。どういうことだよ」
うわ、面白いくらい食いついてくる!!
ぷーっと笑いそうになるのをこらえて立ち止まる。
「残念ね。バスケ部入ればななは彼氏じゃなくて星太君を応援してくれるっていうのに」
「その話、本当なのか?俺聞いたことないんだけど」
星太君は怪しそうに私を見ている。
バレるのは時間の問題。それまでに星太君の気持ちが分かればいい。