四色恋模様
なかなか私も悪いな、と思いながら星太君に向かってニヤッと笑った。
「まぁね?今じゃただの幼馴染よりも友達と彼氏が大事みたいだし?」
ちょっと意地悪く言うと星太君は目を伏せた。
あれ…ちょっといじめすぎたかな?
「だ、だから!星太君は好きな子に応援して貰えなくていいの?こんなチャンスないんじゃない?」
星太君はまだ目を伏せたまま何か考えているみたいだった。
「…別に、ななを結人からとろうとか考えてないから」
結人って、ななのもう一人の幼馴染で彼氏か。
星太君は力無く静かにそう言った。
まだ認めないつもりなの?!
あまりの頑固さにちょっとイライラしてくる。
私がここまで首を突っ込むのは可笑しい事かもしれないけど、じれったいんだから!!
「あーあー、そうですか」
もうこいつはどうでもいいや。
「いつまでも意地はってれば?ななが結人君と付き合って幸せになれると思ってるならそれでいいんじゃない?」
私は面食らっている星太君に近づき背伸びをして星太君の胸ぐらをガシッと掴んで引き寄せた。
今ここに人がいるかいないかも確認せず。
「お前、何す「自分が幸せにさせる位の気持ちがなきゃあんたにななは無理よ。中途半端な事するならさっさと諦めたほうが自分のためだよ」
星太君の言葉を遮って私は小さい低い声で一気に喋った。
「じゃーね」
パッと星太君の襟を離して私は横をすり抜けた。
星太君は何も言わずに私を呆然とした目で見てたけど。
これで何か変わればいいのに。
ななも星太君も自分の気持ちに素直になれない、私からすれば面倒な子達だわ…。