四色恋模様



「そんなことないよ、ね?星太君」


ドヤァと悪い笑みを浮かべて星太君を見上げる。



はぁ、とため息をついた星太君はななの腕を引っ張って歩き出した。



「ちょ、なに?!」


一瞬で顔を赤くしてななは星太君に引っ張られるがまま歩く。


「あいつと話してたら時間がもったいない。もう席につけ!」



星太君はななの席まで行くと、そこでななの腕を離し自分の席に行ってしまった。



なんだかんだ言って、やっぱりなんか変わったかな?


フフフ、と1人で笑ってしまうくらい二人のやりとりは微笑ましかった。


あれ?そういえば舞花がいない。



廊下を見るけどまだ来てないようだ。
星太君と一緒にいつも来てるのに…。


なんでだろう?



不思議に思ったけど深くは考えなかった。
まぁ、約束してるのかも知れないし。









私は2人の事ばかり気にしていたから他の事なんて考える余裕なんてなかった。






だから注意力も散漫してたんだろう。



あの日、私達の会話をあの人が聞いてたなんて思いもしなかった。








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