狐と嫁と溺愛と
まるでジュースを飲むかのようにワインをゴクゴク飲んでる大河さん。



本当に、なんでここにいるんだろ…。



好きだと自覚したら、ものすごくカッコいい。



人間バージョンの大河さんは、黒髪で。



長いけど、それが似合ってる。



「ん?なに?」

「な、なんでもないっ…」



つい見とれてた…。



この人が好きになる人って、どんな人?



「大河さんが昔好きだった人って、どんなタイプ?」

「そんなの聞いても楽しくねぇだろ」

「だって気になるじゃん、大河さんが好きになる人」

「さぁ、どんなヤツだったかな。昔過ぎて忘れた」



絶対ウソ。



結婚まで考えた人がいたんでしょ?



もし、大河さんが独身じゃなかったら、あたしとの関係はどうなってたんだろう…。



そう考えると怖い。



「大河さんは友達いないの?」

「ジロー?」

「他は?」

「まぁ、いることはいるけど…何年会ってねぇかな」

「その人も妖狐?」

「違う。鬼」



お、鬼⁉︎



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