狐と嫁と溺愛と
この姿だと、妖力を隠しきれなくなるから、大河さんは常に人間の姿でいるんだって。



それはお父さんも、高島さんや村上さんもらしい。



「みんな偉いの?」

「まぁ、人間になれねぇヤツらよりは格上なのは間違いねぇ」



大河さんはその中でもトップクラスだと。



高島さんもすごい妖なんだ…。



「ナナにも耳と尻尾つけてぇな」



フワフワの尻尾に頬を撫でられ、顔が熱くなる。



意地悪っぽい…。



「油揚げ好きなくせに…」

「ははっ‼︎確かに好きだ」

「そうなの⁉︎嫌いなものは?」

「チョコレート」



なっ⁉︎



チョコあげなくてあんなに怒ったくせに⁉︎



大河さんって、本当に意地悪っ‼︎



「からかうならお部屋に戻ってよ…」

「いいだろ、ヒマなんだ。金も銀も寝たし」

「あたしもう寝るっ‼︎」

「じゃ、俺も」



部屋に戻ると思ったら、なぜかベッドまでついてきた。



はい…?



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