狐と嫁と溺愛と
優しいウソ
8



寝不足だ…。



完全に寝不足だ。



あの日から毎日大河さんと同じベッドに寝ている。



仕事があるからと、大河さんが後から寝ても、気がつけばあたしの隣に寝ている。



おかげで完全に寝不足。



『大河さんと一緒に寝るの、辛い…』



春乃にそうメールを送った。



『のろけかよ』



そう返ってきて、もう何も言えない。



高島さんはこの状況にニコニコしていて、疲れてるのはあたしだけ。



「ナナ、ちょっと出社してくる」

「え?会社?お休みじゃないの?」

「俺が行かなきゃ進まない仕事ができた。お利口にしとけよ?」



そんなことを言って、チュッと頭にキス。



な、なんですかっ⁉︎



「ははっ、カワイイ」



そう言い残して大河さんは会社へ行った。



イケメンは何しても様になるから憎い。



「イケメンなんて滅亡してしまえ‼︎」

「どうかされましたか?」

「いえっ⁉︎なんでもないです…」



高島さんに聞かれてたか…。



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