狐と嫁と溺愛と
あたしなんかにこんなに気をつかわなくたっていいのに…。



本当に申し訳ない…。



一通り案内してもらい、やっとソファーに座ってお茶を飲む。



シーツの色は、結局なんでもよくて。



薄いピンクで統一してもらうことにした。



村上さんはどっかへ行き、今は高島さんとふたりで下着のカタログを見ている。




「ところで、あたしの結婚相手の方は…」

「お仕事中です。本日はお戻りになる予定なので、夜には一緒にお夕食を召し上がっていただくことになりますね」



どんな人なの?



太ってる?



髪は…フサフサかな…。



「お名前、聞いてなくて…」

「そうだったんですか⁉︎てっきり、もうお会いしたことがあるのかと…」

「いえ、婚姻届も私が先に名前を書いて郵送したので…」

「あっ、そういえば、午前中に婚姻届
は受理されたそうですよ」

「そうですか…」

「今日からナナ様の旦那様になられるお方は『華山 大河』様です」



タイガ…さん…。



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