狐と嫁と溺愛と
どんな人なのかな…。



お仕事は何をしてるの?



歳はいくつ…?



聞きたいことはたくさんあるのに、なぜか聞きにくい。



高島さんに『金で買われた女』だと思われるのが嫌なのかな?



惨めになりたくないだけかな…。



「ナナ様、少し休みますか?」

「あっ、いえ。大丈夫です」

「顔色があまり優れないようですので…」



最近寝不足だったからかな…。



今日の日に絶望しか持てなくて、何度逃げてしまおうと思ったか…。



だけど、お父さんのことを考えると、逃げ出せなかった。



これで借りていた借金も消えるし、お父さんにはお金も入るみたいだから。



血が繋がってないあたしをここまで大きくしてくれた感謝の決意。



最後の親孝行だと思って、自分の人生をお金に換えたんだ。



だからあたしは、ここで頑張らないといけない。



相手がトドみたいなオジサンでも、あたしはその人を受け入れなければならない。



だって、もう結婚は成立してしまったんだから。



< 14 / 582 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop