狐と嫁と溺愛と
小さい頃の大河さんとか、絶対かわいいよ。



「鬼さんは何歳なんですか?」

「150だよ。まだまだペーペー」

「150歳で⁉︎」

「妖の世界はね、死なないやつも多いし。それに、歳はそんなに関係ない。力がモノを言う世界だから」

「妖の世界…よくわかりません…」



大河さんはどれほど偉いの?



鬼さんの地位は?



「ナナちゃんが子どもを産んだら、相当強い妖が生まれるだろうね。大河みたいな」

「へっ⁉︎」

「かなり薄いけど、大河にも神様の血が少し流れてるからね」



だから強いんだって。



数百年前の神の子が産んだ妖狐の子孫だからだって。



そんなにすごいんだ、あたしの力って…。



「あたしのお姉ちゃんってことですよね…?」

「そうなるね。もう死んでるけど」

「それはっ‼︎わかってますよ…」



あたしもいつか、大河さんより先に死ぬんだろうな。



先におばあちゃんになって、大河さんは若いままで…。



そんな現実に耐えられるんだろうか…。



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