狐と嫁と溺愛と
考えもしなかった事実に、なんだか気分が落ちる。



あたしはおばさん、大河さんはこのまま…。



とてもじゃないけど、大河さんがあたしをずっと好きでいてくれるとは思えない。



鬼さんがいなくなった部屋で、気分の上がらないまま海を眺める。



「どうした?」



後ろから回ってきた手にふわっと抱きしめられて、泣きそうだ。



さっきまで幸せいっぱいだったのに、こんな話して暗くなりたくない。



「あたしも…年を取らなきゃいいのに…」

「…………それは困る。もう少しくらい大きくてもいいんじゃないか?」

「なっ⁉︎」



肩に回っていた手が、あたしの悲しいほど薄い胸を包み込んでいた。



咄嗟にペシッと腕を払いのけ、胸を隠すようにしゃがみ込んだ。



人の気にしてることをっ‼︎



「ば、バカ…」

「ははっ‼︎そのうちデカくなるって。俺がデカくしてやろうか?」

「変態っ‼︎エロ狐っ‼︎」



大河さん意地悪すぎっ‼︎



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