狐と嫁と溺愛と
今のあたしの匂いは相当ヤバいみたいで。



ピシャリと襖を閉めた大河さんが、あたしの痣に香水をワンプッシュ。



自分ではわからない…。



本当にお風呂は危険みたいですです…。



「ごめん、ナナ…」

「いや、不可抗力というか…」

「ここにいるヤツらは気づいたかもな、お前がいることに」

「だ、大丈夫…?」

「平気だ。俺がいる」



キュンと胸が痛い。



大河さんといれば、怖くない…。



浴衣を直して、襖を開けて。



「ごめんなさい、鬼さん…」

「大丈夫、大丈夫。ちょっと我を忘れただけ」

「ごめんなさい…」

「さて、飲みますか‼︎」



鬼さんは心が広い人かな?



大河さんが友人と呼ぶ意味が、なんとなく理解できた。



大河さんとガブガブお酒を飲んでる姿は、本当に仲良しっぽくて。



見てて嬉しい。



あたしも早く、春乃に会いたいな…。



しばらくして、舟盛りと一緒に椿さんもやってきて。



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