狐と嫁と溺愛と
ゾクッと背中に走った寒気。
あたしの隣にいたはずの大河さんが、いつの間にかシキくんの目の前。
「これは手を焼くのがわかる。自分が何者なのか、理解が足りないようだな」
「うぁっ…」
「振りほどいてみろ。ただのキツネなんだろ?俺は」
大河さんの尻尾がシキくんに絡みついていて、徐々にキツくしまっていくのがわかる。
大河さんが、怒ってるんだ…。
「このまま絞め殺してやろうか?それとも、冷たい炎に焼かれてみるか」
「はな、離せっ‼︎」
「自分がなんなのか、なにをすべきか考えろ。そして、弱さを知れ。調子に乗るのも程々にしないと、痛い目みるぞ」
尻尾の締め付けが緩んだと思ったら、シキくんはガタガタ震えていた。
ただのキツネと言った大河さんに、手も足も出ない…。
「お前は妖だ。人間より力が強い。その力を使いすぎると、後悔することになるぞ」
「は、い…」
「わかればいいんだ。俺は遊鬼と椿の悲しむ顔は見たくないからな」
ふたりのために…。
あたしの隣にいたはずの大河さんが、いつの間にかシキくんの目の前。
「これは手を焼くのがわかる。自分が何者なのか、理解が足りないようだな」
「うぁっ…」
「振りほどいてみろ。ただのキツネなんだろ?俺は」
大河さんの尻尾がシキくんに絡みついていて、徐々にキツくしまっていくのがわかる。
大河さんが、怒ってるんだ…。
「このまま絞め殺してやろうか?それとも、冷たい炎に焼かれてみるか」
「はな、離せっ‼︎」
「自分がなんなのか、なにをすべきか考えろ。そして、弱さを知れ。調子に乗るのも程々にしないと、痛い目みるぞ」
尻尾の締め付けが緩んだと思ったら、シキくんはガタガタ震えていた。
ただのキツネと言った大河さんに、手も足も出ない…。
「お前は妖だ。人間より力が強い。その力を使いすぎると、後悔することになるぞ」
「は、い…」
「わかればいいんだ。俺は遊鬼と椿の悲しむ顔は見たくないからな」
ふたりのために…。