狐と嫁と溺愛と
夜ご飯はきつねうどんか。



少し楽しみかも…。



「嬉しそうだな、あいつら」

「へへっ、あたしも嬉しい…」

「あいつら、料理以外なにもできねぇんだ。ナナは毎回完食してくれるって、前に言ってたし」

「大河さんみたいな力はないの?」

「ねぇよ。あの姿でいるのが精一杯。寝る時は狐に戻っちまう」

「そうなんだ…」

「金と銀は生まれてすぐに親が人間に殺されたんだ。で、俺が2匹を見つけて、あの姿にしたってわけ」



だから人間が苦手だったのか…。



本当の狐を妖にするって、大河さんもすごいんだろうな…。



「本当は成長して、大人になりてぇんだろうけど…。ムリだしな」

「ムリなの?」

「莫大な妖力が必要だし、大人になれば、子どもには戻れない」

「大河さんでもムリなことってあるんだね」

「そりゃあな?でも…ムリなのか…?今の俺には…お前がいる」



それって、あたしの力で彼らを大人にするの…?



< 172 / 582 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop