狐と嫁と溺愛と
家に帰ってからも、ひたすら勉強。



春乃に借りたノートをコンビニでコピーしまくって、それを見ながら。



「数学ですか」

「さっぱりわかりません。高島さん、勉強得意そうですね」

「何年も前にやった内容なので…」



頼みの高島さんも、ダメでした。



本当に進級できなかったらどうしよう…。



大河さんは仕事で遅いだろうし、春乃は勉強しなくても授業だけ聞いてればわかっちゃう天才だし…。



あたしのバカな頭を恨むよ‼︎



神様の血なんて、全然あたしに特権がない‼︎



せめて頭くらいよくてもいいじゃん‼︎



あたしは妖のエサになるために生まれてきただけなの?



「お母さんのバカ〜‼︎」

「神が聞いたら泣くぞ」

「た、大河さん…。早かったね」

「ん、今日は会議三昧。で、接待あったけど疲れたから他のヤツに任せた」



ノックもなしに部屋にやってきた大河さんは、勉強しているあたしの隣に座った。



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