狐と嫁と溺愛と
あたしが大河さんの嫁に来るとなって、初めは千尋さんにあたしの世話係を任せようとしたらしいんだけど…。



「ナナちゃんは女の子だから、知らない環境であんな鉄仮面の世話係なんて絶対嫌だと思って」

「高島さんが名乗り出てくれたんですか」

「だって、名誉なことでしょ?この仕事を千尋に取られるのも嫌だったし、あたしより、千尋の方が当主様の秘書には合ってると思っていたし」

「高島さんだってバリバリ仕事できそうじゃないですか‼︎」

「そうでもないよ、あたし、抜けてるし…。でも、ナナちゃんの顔を見たら、ナナちゃんの支えになりたいって思ったの」

「高島さん…」

「秘書より合ってると思ってるの、あたしはね?」



ニッコリ笑った高島さんは、自らあたしの支えになることを選んでくれたんだ…。



今となっては、あたしのお世話係りが高島さんでよかったと、心から思っている。



「で、告白とかしないんですか?」

「しないよっ‼︎あたしなんか、目に入ってないと思うし…」



こんなに美人なのに?



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