狐と嫁と溺愛と
仕事ばっかりになるでしょ?



「金次くんと秋銀ちゃんに使えないかと思って」

「おぉ、それはいい。あっ、そういうことか…。俺以外のヤツに力をわけたい時用ってことね」

「そうだと思うよ。決して、大河さんが仕事したいからって乱用するためではない」

「俺はナナから直接貰えるし」

「力が欲しいだけ…?」

「あっ、そう思っちゃう?ちゃんと好きだけど」



わかんないもん‼︎



プライベート用のケータイなんて放置されてるわけだし、キスだって…力のためだし…。



満たされない…。



「明日、春乃んちに泊まりに行ってこようかな…」

「なんで?夜には帰るつもりなんだけど」

「あたしがいなくたって、大河さんは平気でしょ?」

「言ってねぇよ、そんなこと」

「どうだか。大河さん、長年生きてるのに女心わかってないんだね」



拗ねてやるんだから。



ムスッとするあたしの機嫌を取るかのように、大河さんが隣に寝転びあたしを抱きしめる。



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