狐と嫁と溺愛と
大河さんに頭を撫でられると急な眠気が襲うことがあった。



これ、眠らされてたんだ…。



早く体に力が戻らないかな…。



お父さんにガツンと言ってやるんだから‼︎



寝返りを打って、目が覚めた。



体が動く。



「お目覚めですか」

「高島さん?ずっとここにいたの…?」

「私はナナ様をお守りする義務があります。当主様があちらへ行ってしまわれると、結界の力が弱まってしまうので」

「そうなんだ…」



まだ少しダルい気がするけど、体は動く。



タマキさんが心配だよ。



「あたしにできることはないんでしょうか…」

「当主様に任せておけばいいんです。ナナ様は静かにしまてしょう」

「それって、あたしが動いたら邪魔ってことですよね…」

「そういうわけではっ‼︎」

「いいんですよ、あたしなんか…。実際何にもできないんですから…」



あたしにも大河さんや高島さんみたいな力があればな。



なにか役に立てたかもしれないのに…。



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