狐と嫁と溺愛と
明け方、戻ってきた大河さんは、お父さんと一緒。



「ナナ、まずいことになった」

「まずいこと…?」

「あのアホ、龍の性悪ヤローに捕まった」

「龍⁉︎それって神様的存在じゃないの⁉︎」

「イヤ、あいつらは妖。で、力のある俺たち狐を勝手に敵視してたんだけど…。龍の当主の息子ってのがタマキに好意を寄せてて…」

「うえっ⁉︎ヤバいんじゃないの⁉︎取られちゃうよ⁉︎お父さん‼︎」



あたしを育てる為に仲間と連絡を絶っていたお父さん。



タマキさんは寂しくて、言い寄ってくる龍と仲良くなったんだとか。



「えっ、あたしのせい…?」

「そうじゃねぇよ。タマキも俺の仕事を理解してたわけだし…。俺だってその…浮気したり、しなかったり?まぁ、遊んでたりしたんで…。それはお互い様なんだけどな?」

「不純なカップルだね、お父さんたちって…」

「最終的にはタマキしかいねぇって思ってたんだけど…」



今回の家出理由は、お父さんの多忙によるもの。



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