狐と嫁と溺愛と
どうやら、こっちの普段着は着物らしい。



蘭月さんが連れてきてくれたそっくりな顔の女の子ふたりも着物を着ている。



みんな狐さん…。



「腕を」

「あっ、はい…」

「奥方様、体が熱い気がするのですが…」

「き、緊張してるからかな…？」

「ならばいいのですが…。もしなにかありましたら、何でも言ってくださいね？」

「ありがとうございます」



このふたりは双子の妖らしく、この屋敷の使用人だとか。



ここは狐の屋敷。



基本的に働いているのは狐だけ。



本邸にいる夢さんたちのような、他の妖はいないんだとか。



「苦しくはありませんか？」

「はい、大丈夫です。あっ、記念に写メ撮っていいですか？」

「それはあちらの世界の物ですね？使えませんよ、こちらでは」

「へっ⁉︎」

「あちらの世界の物は、一切使うことができなくなるのです。特に家電なんかは、ゴミと一緒になってしまいます」



そ、そんな…。



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