狐と嫁と溺愛と
あたしのスマホ、電源すら入らない…。



こんなことになるなら、あのドッペルゲンガーにケータイ持たせるんだった…。



着替えが終わり、髪をアップにした。



「できました、蘭月さん」

「これはこれは…。よくお似合いです」

「そ、そうかな…?」

「では、屋敷を案内いたします」

「はい」



蘭月さんに案内された屋敷の中。



大河さんの部屋と、あたしと大河さんの寝室。



そしてタマキさんの部屋、人がたくさん入りそうな大広間。



客間のような場所に、なんとお父さんの部屋。



「入っていいですか⁉︎」

「それはいけません。私がジロー様に怒られてしまいます」

「怒っても怖くないでしょ、あんなポンコツオヤジ」

「ジロー様にそこまで言う方はいませんよ?」



だってあたし、お父さんの子どもだもん。



本当にダメオヤジ。



こんなことになったのも、全部お父さんが悪いんだし。



< 218 / 582 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop