狐と嫁と溺愛と
蘭月さんにとにかくやめてくれと言われて、しかたなく部屋に戻った。



「大河さんはどれくらいで戻りますかね?」

「予想はできかねます。相手は龍ですから」

「強いんですか…?あたし、よく妖のことわからなくて…」

「そうですね、狐、鬼、天狗、龍。同じくらいの力を持ってるのはこの4族。そして、その上に神がいらっしゃいます」

「へぇ〜、やっぱり狐さんは強いんだ」

「奥方様は自覚がないのですね。あなたもその中のひとり。妖に力を与えられるのは、神の子だけ」

「でも、あたしはそれしかできないから…」

「そうです。ですから、あなたは他の妖からその身を狙われる」



へっ⁉︎



そんなのただのお荷物じゃないの⁉︎



「あたしなんかいない方がいいじゃないですか…」

「奥方様は我が妖狐族に繁栄と幸福をもたらす女神なのですよ。私たちは、あなたがいるおかげで今の地位にいられるのです」



嬉しくない…。



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