狐と嫁と溺愛と
ジロー
12
妖の世界とは不思議なもので、朝と夜の気温の差が少ない。
毎日満月だし、雨が降るとみんな嬉しそう。
「ケホッ…」
「奥方様…、下がりませんね…」
やっぱり体調が悪かったようで、熱が出てから数日。
熱が下がらない。
こっちには人間の医者がいなくて、妖の薬を飲んだのに全く効かなかった。
熱い体と、咳、頭痛…。
死んでしまいそう…。
「もしかして、インフルエンザというものでは…?」
「えっ…」
「人間がかかるウィルス性の…」
「あっ…」
そうかもしれない。
学校で流行ってたし。
だからこんなに酷いの⁉︎
薬を飲めばマシになるって聞いたけど、ここには薬がない。
大河さんも帰ってこないので、あっちの世界にも帰れない。
「当主様がいれば…」
「大丈夫ですから…」
「辛そうで見てられないのですが」
「今だけです。きっとよくなる…」
妖は人間の病気にはならないらしく、あたしのウィルスは移らないって。
妖の世界とは不思議なもので、朝と夜の気温の差が少ない。
毎日満月だし、雨が降るとみんな嬉しそう。
「ケホッ…」
「奥方様…、下がりませんね…」
やっぱり体調が悪かったようで、熱が出てから数日。
熱が下がらない。
こっちには人間の医者がいなくて、妖の薬を飲んだのに全く効かなかった。
熱い体と、咳、頭痛…。
死んでしまいそう…。
「もしかして、インフルエンザというものでは…?」
「えっ…」
「人間がかかるウィルス性の…」
「あっ…」
そうかもしれない。
学校で流行ってたし。
だからこんなに酷いの⁉︎
薬を飲めばマシになるって聞いたけど、ここには薬がない。
大河さんも帰ってこないので、あっちの世界にも帰れない。
「当主様がいれば…」
「大丈夫ですから…」
「辛そうで見てられないのですが」
「今だけです。きっとよくなる…」
妖は人間の病気にはならないらしく、あたしのウィルスは移らないって。